俺の前方に花海が立っていた。

白いワンピースが
いつもと感じが違うので見つけられなかったのだ。

俺に向かって大きく手を振りながら
走ってくる。


花海
「たっくん遅刻ですよお」

大樹
「はぁはぁ……すまん……寝坊した……はぁはぁ」

花海
「走ってきたの? 汗だくだよ」

花海がハンカチを取り出すと
俺の額の汗を拭き取る。

顔が近いな……。
ハンカチからも花海からも石鹸のいい匂いがする。

大樹
「家から駅まで、俺人生で新記録達成だ」


 


花海
「あはは。しょうがないなあ
 走ってきたから許してあげよお」

大樹
「おう。で? どこに行くんだ?」

花海
「駅前にある小物ショップに行きたいな」

大樹
「はいよ。今日は何でもお付き合いしますぜ」

花海
「かな、後でパフェも食べたいなあ〜」

大樹
「しょうがねえな……
 俺の行きつけに連れてってやろう」

花海
「本当? じゃあ用事を先に終わらせて早く行こ?」

花海が俺の腕に自分の手を絡ませて
俺を引っ張っていく。

随分嬉しそうだな。

俺は照れ隠しに頬をポリポリと掻くと
花海を連れて街中へと繰り出した。